Shape of my word

日々の生活で感じたこと、思ったこと、考えたこと、を言葉にします

2018-11-01から1ヶ月間の記事一覧

誰かのため息が若葉を揺らす 若葉は負けじと大きくなって 大きな葉は嵐に負けなく強くなるが 誰かのため息を止めることはできない 花は花 人は人 別々の世界で お互いが美しく優雅に見えるが ゆえにお互いのことを何も知らないから 知るすべもなく遠巻きに …

あなたが憶いだしてくれれば 僕はあなたの瞳に蘇り あなたに忘れられたら 僕は荒野の塵になる だから時々でいいから 憶いだして 忘れられたら悲し過ぎるから ​

桜が舞っていた また来春と観念したのだろうか 枝には若葉の息吹 花が咲くまで桜と知らず 桜と知るやめでたいと 誰に媚びるわけでもなく 花は花で ただそれだけで美しい ​

男は冷たい空気の底へ 息もできずに沈んでいった 触れた掌は温かかった 何も感じない体で思い出す 夢から醒めたら もう何もない ​

さよなら もう会うことのない人に向けた悲しい言葉 他人という雑踏の中から 石を積み上げて家を造るような 種を育てて花を愛でるような 与えられたものを 当たり前だと思いながら 失った後になって さよならが言えなくて どうしようもなく 悲しくなる ​

最後に会ったのは がらがらの電車で 向かい合わせに座って 僕は何か大事な言葉を 彼女は心配そうな顔で微笑んで その瞳の核心に触れる言葉を うまく吐き出せなくて 僕は困った顔で笑っていたと思う その言葉で あるいは彼女にとっての僕は特別な何かになれた…

さよならと言うと もう会えないみたいで またねと言うと 嘘になるから 泣きそうな顔で笑って お元気でと唇をかんだ その次に浮かぶ言葉が 見つからなくて はにかみながら小さい背中を お元気でと軽く抱きしめた 気の利いた言葉の一つも 思いつかなくて 三月…

風の行方を追いかけて 感じるままに流される 追い風に勧められ 向かい風に阻まれて 分岐点はどこだろう 何が正しくて 何が間違っていて 終わりのない旅に出る ここが始発で ここが終点なんて なんの意味もなく 行方は誰も知らない ​

手に触れるものだけを信じて 形あるものだけを愛して 過去より未来より 今が大切なのは分かるけど それであなたは救われるの 蝶が瞬くような 象があくびするような 現実だけを追いかけて ねぇ 形があるものは失われるの どんなに優しくしても そうでしょ 生…

黄昏 群青の海 お互いの関係の中で溺れ 私たちは何処にも辿り着けず 深い海の中へ 寄せては返す波の音 すべてがはじまった場所で ほとんどのことが終わりを告げた場所 繋いだ手を離して 思い出だけでは生きていけないから 遠くから見れば美しく 海より深く …

名もない石に祈る もしくは僕が死んだ場所 星に願いを あるいは僕が生まれた地 産まれて泣いて 渡り鳥は住処へ 笑って死ぬ 重力には逆らえない ありがとう 絶対的な慈しみで さよなら 相対的な理不尽さで 刹那の美しき 僕の帰る家 ​

手に触れるあなた 温かい 怒ったあなた 可愛い 思い出のあなた 美しい 最期のあなた 冷たい 想い出のあなた 悲しい 還ったあなた 懐かしい 私とあなた 楽しい ​

昨日を忘れるために夢を見て 夢を見るために眠る 眠るために酒を飲み 酒のために働く 働くために勉強して 勉強するために働いた 働くために飯を食べ 飯のために働いた そんな人生 ​

あなたは笑う 誰よりも低く あなたは話す 誰よりも水平に あなたは急く 誰かのために あなたは食べる 誰のためでもない 自分のために けれど誰かのために あなたは生きる ​

あなたが笑うと ちょうど目が三日月みたいで 僕はそれがすごく好きでした あなたは現実を知っているから 色んな角度で 色んなことを諭してくれて 僕はそれが嬉しくて 少し恥ずかしかった あなたは強い人だから 僕はそれがまぶしかった 太陽に愛されて咲く 向…

ねぇ どんな夢をみてるの あんなに悲しそうだったのに 猫がしっぽで魚釣りでもしてるのかな それとも 大好きな苺が空から降ってきたのかな また悲しそうだったら 思い出させてあげるから おやすみ ​

どこにでもありそうで ここにしかない場所 手に触れるほど近そうで まぶたに映ることさえ許さない 質量に宿る影であり 運命という闇でもある 暗部はより光を鮮やかに どうしようもなく 悲しいことがあると 雨上がりの虹を待つ ​

綺麗なものだけをみて 生きてはいけないから 泥をかぶりすそを汚し 軋轢で身を削り 思い描いた夢を捨て 現実にしがみつき それでも昔は良かったなんて 口にはしたくないんだ 過去より未来より 今が最高だと思って 生きていきたいから ​

不安の世紀から 生きていくことに 息苦しさを ゆっくり息を吸い 短く吐く 一日が終わり 移ろい過ぎていく 簡単に手に入るものに 価値なんてないし お手軽な答えなんて 気休めにすぎないから 肉体という信仰によって 破壊と再生を繰り返し 現象によって理性を…

ねぇ あなたの笑い方 私は好きよ 運命なんて陳腐なもの 信じてないけど 試されてるって 思わない 勝ち続けることなんて 無理なんだから 負けないように 生きていけばいいじゃない だから笑ってねぇ あなたの怒った顔も 嫌いじゃないわ 夢の中で暮らしていけ…

たぶん あれが最後の海 残像に花束を 夢に口づけた 潮の流れに身を任せ 何処に還るのだろう きっと ここが約束の地 天国のような日曜 翳る夕陽を 足をぷらぷら ただ見ていた 二人の時間は 忘れ去られた ダイヤモンド ​

五月のある晴れた三日間 日が昇ると起床し 日が沈むまで働く コーヒーを淹れ 洗濯物を干し 部屋を換気して 猫の世話をする ゴミを捨て 電車で文庫本を読み 景色を眺め 駅から河川敷の道を歩く 日替わり弁当を食べ 自分のできることをして 帰って少し冷えた夜…

目が合うと笑うんだ たぶん僕を喜ばせるために 幸せだと怒るんだ 何かいいことでもあったの と言わせないために いつも付かず離れず 近すぎると息苦しいから 遠く離れてそばにいて なによりバランスを保って スプートニクみたいに あなたに惹かれながら あな…

もしかしたら あなたに水を与えられ 晴れの日は陽だまりに 枝を間引き 愛された分だけ 綺麗な蕾を あなたも愛おしくでも 何かのきっかけで きれぎれの雲のように 空と大地の境界線に 消えていってしまうかもひょっとしたら その雲を散らした風が わたしを飛…

あれから 僕はなんとかやってます それなりに失敗して それほどいいこともなかったけど そんなものだと思って 小さい幸せを集めながら 大きいとは言えない家に住み 中くらいの猫と暮らしてます きみは化粧がうまくなり 端麗な容姿で 僕を見つけると嬉しそう…

肩に伸びた長い髪が 風に揺れる 凛とした百合のように 鮮やかな花弁が あなたを語る 旬を迎えた果実のような いのち短し恋せよ乙女 ​

自分を抱きしめていないと 壊れてしまう 夜が明けたらあなたは言う 世界が変わったんじゃない あなたが変わったの おかえりなさい あなたが抱きしめると ほのかに花の匂いがして 花の名前は忘れてしまったけど あなたを忘れないから 待っていてくれて ありが…

命を燃やして もう一度 空を飛ぶために あれは蝋燭が消える前の 最期の輝きだったのか 陽炎のような 本能に背を向けず 灼けたアスファルトを 羽をひろげ つんざく音をあげ また空を飛ぶ夢を見る解説 蝉について。何年も地下で生活した後、成虫となって地上に…

孤独な夜を抱いて 数えきれない星を数え 雲に隠れた月を探す 朝が待てない テレビは語るのをやめ 時計の音が響く 夜は終わらない 貪欲で底の見えない 深い闇に 飲み込まれてしまう ​

長い雨の後で あなたが待っている かたつむりと 雨にうたれながら 鮮やかな紫弁を 滴がつたう 雨は降り続ける 誰かの悲しみが 堰を切ったように 感情を隠そうともせず 顕な素顔が愛おしく 雨はまだ止みそうにない ​