2018-11-25 ■ 最後に会ったのは がらがらの電車で 向かい合わせに座って 僕は何か大事な言葉を 彼女は心配そうな顔で微笑んで その瞳の核心に触れる言葉を うまく吐き出せなくて 僕は困った顔で笑っていたと思う その言葉で あるいは彼女にとっての僕は特別な何かになれたのだろうか 扉が開くと当たり前のように下車して さよならも言えず 当たり前のようにもう会うこともなかった