2018-01-01から1ヶ月間の記事一覧
猫は常に媚びず、甘えず、食欲にかられた時にだけ従順な態度を示した。眠ることが一生の大半を占めるのだろう。いつも幸せそうな顔で眠り、季節により寝床はより快適な場所へと移った。長く暮らしていると、しっぽの動きで、機嫌が分かった。
朝起きて、一日が始まるとわくわくするより滅入ることの方が多いのに、一日が終わると寂しい気持ちになった。夕焼けを見て感動することもあれば、どうしようもなく悲しい気持ちになることもあった。自己矛盾を抱えた自分を人間らしいと思って納得する日も…
たゆたう雲の流れを、それが視界から消えてゆくまで、ただ見ていた。その風景が心に寄り添っていると感じることもあれば、突き放されたと感じることもあった。その瞬間にだけ目に映る、その美しさは永遠ではなく、刹那的だから魅了されるのかもしれない。…
灰色がかった暗い空に、陽が射すと。それだけで嬉しく、誰かに伝えたいと思っても。相手がいないので、猫を抱きかかえてマンションのベランダから一緒に眺めた。天気の良い日は、よく散歩をしたが、アスファルトは冷たく無機質なので、公園や木の植えられた…
さよならに続く言葉をいつも探して、最後に出た言葉は、またね。と元気のない言葉だった。もう会うことのない人に、叶うことのないだろう約束もしたし。元気でない人に、お元気で。そう言って別れたことも多い。本当に伝えたいことは、いつも分かっている…