Shape of my word

日々の生活で感じたこと、思ったこと、考えたこと、を言葉にします

 いちばん暑い8月のある日に、忘れられたような雨が降った。湿った地面にまだ熱をため込んで、その熱を風がどこかへ運んでいく。雨上がりの灰色の空は、太陽をすっかり隠しているけれども、誰も忘れはしないだろう特別な暑さをくれた夏。気温と共に思考能力は著しく低下して、エアコンの切れた夜中に冷蔵庫の麦茶を飲む。朝が早いのは嬉しいけれど、帰宅する時間によく通り雨に降られた。雨があがるのを待つような気の長さもなくて、店の屋根で雨宿りをする人を見るたびに、自分は急がされているのか。と自問自答してしまう。空はそれを見透かしたように、これでもかと雨を降らせ、気がつくとやんでいた。晴れのち曇り、ときどき雨。こういう生き方もそう悪くないと思う。