Shape of my word

日々の生活で感じたこと、思ったこと、考えたこと、を言葉にします

 猫は窓越しに雨だれがベランダの竿をつたい、それがメダカのいる大きな花瓶に落ちる様子を飽きることなく眺めていた。両手を行儀よく揃え目を丸く開け、しっぽがゆるやかにリズムを刻んだ。ご飯の時はテーブルや食器棚に登り、みんなが食事するのを眺めている。機嫌のよい時は膝に乗っかって少しだけ甘えた。窓越しに日が射すとうずを巻いて横たわり、よく毛を干した。猫にとって家の中こそが彼らの世界で、猫は家につくとはその通りだと思っている。その気まぐれと茶目っ気で随分と頭を抱えたが、なにか嫌なことがあった時に抱きしめ、あごをなでると不思議と気持ちが和んだ。なにもしないことで、なにか幸せな気持ちにさせる。僕にとって猫はそういうもので、猫が少なくても僕に対してそういう気持ちでないことだけはよく知っている。