Shape of my word

日々の生活で感じたこと、思ったこと、考えたこと、を言葉にします

 週末の早朝、河川敷を走ると青いウインドブレーカーの初老の男性が向かい合う少し手前で右手を上げる。僕はそれを見て右手を上げる。たぶん深い意味はなく挨拶のようなものだと思っている。週末になると必ずその男性は向かい合う少し手前で右手を上げる。その男性の顔をそんなにはっきり見てないので、青いウインドブレーカーの初老の男性という認識で彼だと分かる。僕にとっての彼のアイデンティティは青いウインドブレーカーで、彼が赤や黄色のウインドブレーカーを着て走っていてもたぶん彼だとは分からないだろう。そもそも青いウインドブレーカーを着た彼を街で見かけても、彼だとは思わないと思う。週末の早朝に河川敷を走る青いウインドブレーカーの初老の男性、向かい合う少し手前で右手を上げる。僕にとって彼はそういう存在で、彼のことは本当によく知らないけれど、右手を上げて挨拶することは確かだと知っている。