2018-10-06 ■ あの夜に失くしたものを 僕はいつまでも探していて 焦がれるほど遠くに行ってしまうことに 大人になるにつれて気付くのだけど それがアメ玉みたいにどんどん小さくなっていくことが とても怖くて 朝になるとそれが頭の片隅にあると安心して そうやって毎日を過ごした 天気のよい日は外を歩き 木の葉の色で四季を感じ たまに海を見ては悲しい気持ちになった 目の前に現れるハクセキレイを慈しみ 猫を抱いて心を満たした 失ったものと得たものを計りにかけて いつまでも空を見ていた