Shape of my word

日々の生活で感じたこと、思ったこと、考えたこと、を言葉にします

 荒ぶる風が窓を叩いた。電車は止まったり、進んだりを繰り返し、目的地に着く予定もたたず。枯れる前、もみじの葉が駅の階段にちりぢりに。何をするでもなく、乗客の熱と息で白濁した窓の外には誰もいず、空は原色の色をあるたけ混ぜ合わせたような灰色で、風は余計に強く窓を叩いた。アナウンスは謝罪を繰り返すが、いつになったら目的地に着くかは教えてくれなかった。プラットホームには身動きもとれぬほどに人がいて、それでいてみんな孤独で不安そうだった。本を読み、疲れると外を見て。目的地は近そうで、遠く。遠く離れてそばにいるのが人の心なら、そばにあって手の届かないのが人間の叡智なのだろうか。電車はまだ動く気配はなく、どうしてこんなに悲しいのだろう。