Shape of my word

日々の生活で感じたこと、思ったこと、考えたこと、を言葉にします

よく晴れた日曜日の午後
優しい風が思い出を連れてくる
人生の一場面を通り過ぎて行った美しい猫たち
気が付けば会わなくなった友人
会わなくなったというより会えなくなったのかもしれない
気が付けば朝にコーヒーを飲むようになり
人からそんなに怒られなくなっていった
電車に乗る目的は学校ではなく会社になって
会える人は限られていく
電車の中で本を読む習慣は変わらないけれど
窓から見える景色に目移りはしなくなった
よく言えば大人になって
悪く言えばつまらない人間になった
怒られることと引き換えに褒められることも控えめに
社会的な人間とは程遠いけど
気持ちよさそうに昼寝をする猫を見ていると
自分の小ささを笑われている気がして
邪魔にならないように一緒に昼寝をした

 トレーニングが趣味のようなモノで、自己研鑽ともっともらしい口実をつけて実務とは無関係の資格の勉強をした。試験から3ヶ月近く経って不合格の結果を知る。宙ぶらりんの状態より潔く結果を受け入れ、また勉強をやり直す。挑戦することが尊いことだと自らを納得させて、頂きを目指す過程に人生の味があると信じたい。

 コロナ禍でひとりの時間が明らかに増えた。夜の公園で縄跳びをしたり、観葉植物を育ててみたり。走ることは今も続けているが、ストレッチに時間をかけて、外を散歩するようにしている。ラジオを聴いて、割安のスーパーで買い物をする。寝具を買いかえて、部屋のレイアウトを調整する。シンクを磨いたり、着なくなった服や使わなくなったモノを捨てる。普段なら入らない店でご飯を食べたり。少しずつ変わっていく。サブスクで映画を見て、眠くなったら寝る。どこか寂しい気持ちもあるが、きっとみんなそうだと腑に落として深く考えないようにしている。

 日中に働いて、日付の変わる前にベッドに横たわる。枕の位置を頭に合わせて、体に布団をかぶせる。目をつむりゆっくり呼吸をして考える、今日一日のコト。あの言葉は適切だったか、親切な振る舞いができたか。優しくないなぁ、もっとよい言葉をつかえばいいのに。人の悪口を言わないコトが自分の中の最後の良心で、それだけが救いだと思う。枕の位置を少しずつ変えながら、気が付くと朝にいて。ゆっくり体をおこして。今日がはじまる。

 仕事をしていて。その時々、状況により、なにが正解かはどう考えても分からない時もあるけれども。なるべくなら正しいコトをしたいと思う。時と場合で正しさの質や量も変わっていくかもしれないけれど。まっすぐなやり方を追いかけたい。謙虚な気持ちで新しいコトを学び、簡単な方法でそれを実践する。頭で考えるより体が勝手に動くような、そんな風にありたいといつも思ってしまう。

 いくぶんか寒くなった冬の始まり、起き抜けにコーヒーを入れて眠気を覚ます。体の筋をまんべんなくほぐしランニング中に聞くプレイリストをチェックする。テーマに合わせたシューズを選び、GPS機能の付いたアプリでペースを計りながら、一歩ずつ駆け出す。街の中で一日がゆっくり始まるのを観察しながら頭の中をクリアにしていく。余計なものをそぎ落とし、必要なものだけをピックアップする。だんだん何も考えられなくなり、いったんはすべてをおざなりにしてランニングに集中する。息を切らしゴールした時は少しの高揚感と安心に包まれる。家に戻り熱いシャワーで汗を流し、通勤に備える。今日出さなければいけないゴミ袋を縛り、電車の中で読む本をつくろう。ゆっくりと駅に向かって歩きだし、そうやって一日が始まる。